もくじ
ラマダンとは
ラマダンとはラマダン月(イスラム暦の9月)を意味し、断食を行う月として知られています。
イスラム教徒は毎年のラマダン月において、日の出から日没まで食事や飲み物を摂らない断食を守ります。
ラマダン月はイスラム暦に準拠するため”毎年”変動しますのでご注意を。
ラマダンを行う目的
ラマダンを行う主な目的と理由は、
- 信仰の強化: ラマダンは信仰心を深め、イスラム教の教えに対する献身を高めるための特別な期間と考えられています。
- 欲望の制御: 断食や禁煙を通じて肉体的な欲望を制御し、節制を学ぶ手段となります。
- 共感と慈善活動: ラマダンでの断食は貧困や飢餓に対する共感を生み、慈善活動を奨励する月でもあります。信者は他者に対する思いやりを深め、寄付や慈善行為を通じて社会に貢献します。
- コミュニティとの結びつき: ラマダンは家族や地域社会との結びつきを強化し、共同体の一員としての意識を高める重要な時期です。断食を守り、共に祈りを捧げることで、コミュニティ内の結束が深まります。
- コーランの理解と祈り: ラマダン中には、コーラン(イスラム教の聖典)を読む事や祈りが一層重要視されます。
イスラム教の伝統や信仰において、ラマダンの最後の10日間が特に神聖であり、特別な祈りや努力が重要視されることがあります。
またこの10日間のいずれかの日に願いが叶うと言われているようです。
ラマダンを実践しなくてもいい人
ラマダンを実践しなくてもいい人は、
- 子供
- 妊婦or授乳中の人
- 体調不良な人
- イスラム教を信仰していない人
など。
この通りイスラム教徒ではない観光客は無関係なので、全く関係ありません。
とは言ってもお邪魔しているのはこちらですから、相手国の文化は尊重しましょう。
あからさまにイスラム教徒の前でパクパク食べるのは敬意に欠けるので、朝食・昼食はホテル内でとったりする事になるかと思いますが、あまり神経質になる必要はありません。
日中に観光客がササっと水を飲むくらい誰も咎めませんし、あまりプレッシャーは感じ過ぎず自身の体調を優先してください。(夏はマジで暑いので・・・)
ラマダンの本気度は実は様々
ラマダン=断食月という事から相当ストイックに取り組んでいるかと思いきや、イスラム教徒によって本気度は様々だったりします。
- 約1ヶ月間 きっちり行う人
- 自宅など他人に見られていない所でたまに飲食・喫煙しちゃう人
- 実際には殆どやってない人(最後の10日間だけ頑張る)
行えなかった分はラマダン以降であっても後日行うことで埋め合わせが可能。
実はラマダンで太る
意外にも、ラマダンの期間でイスラム教徒の人々は太る傾向がある様です。
その理由は断食明けに食べすぎる事が原因と言われます。
- イフタール:日没後の食事。空腹の後の初めての食事で、沢山食べる。
- スフール:日の出前の食事。食べてから寝る。
ラマダン後には「イード・アル・フィトル」というお祭りがある
ラマダンが終わった後には「イード・アル・フィトル」というお祭りがあり、エジプトでは3日間祝日となります。
祭りといっても特別な事が行われる訳ではなく、新しい服を身に着け、家族や友人と交流したり、子供にはお菓子やお金が振る舞われたり…ラマダン達成を祝う期間です。
日本で言うところのお正月なイメージでしょうか
ラマダンにまつわる挨拶
- ラマダン・カリーム
(カリームは「寛大な」や「慈悲深い」を意味します。) - ラマダン・ムバラク
(ムバラクは「祝福された」を意味します。)
どちらも「良いラマダンを過ごしてください」という様な意味で、ラマダン期間中の挨拶にもなります。
人の名前にもなる「ラマダン」
イスラム教の国では人の名前はイスラム教の教義や歴史に由来するものが多いです。
ラマダンさん(男性名)も存在しており名前自体はラマダン月に由来するものですが、
ラマダン月に生まれた事が彼らの名前の由来になっている・・・訳ではなく、少なくともエジプトでは親族から取ったという理由が主で全く関係ない様です。
ラマダン期間中のエジプト観光はできる?
もちろん可能ですが、営業時間が短縮したり、あえてこのラマダン期間に行く必要は無いと思います。
詳しく書いた記事はこちら
この記事は2015年からのエジプト在住者が書いています。