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エジプトの治安と安全な旅行を楽しむ対策【2024年】

エジプトに一度は行ってみたいけど、

  • 治安悪そう
  • イスラム教 = テロ = 危ない怖い

こんなイメージはありませんか?

実はテロは近年減少している事
治安の悪さは対策が可能な事をお伝えします。

この記事は2015年からのエジプト在住者が書いています。

在住者が実際に感じるエジプトの治安

エジプトの治安状況

多分 一般的に想像されるエジプトの治安は相当悪い風に思われているんじゃないでしょうか。
確かに、

  • 話しかけてくる客引きは相手にしない
  • 貴重品は肌身から離さない
  • 観光地ではない田舎・人気のない場所は避ける

等の基本的な危機管理は必要ですが、意外にも治安は安定していると言え、想像よりも治安は悪くないとお伝えしたいです。

治安について大まかに以下の要素について解説をしたいと思います。

  1. テロと犯罪
  2. 警察の対応能力
  3. 国民性と街の様子

テロと犯罪

外務省の危険情ではエジプト全土が真っ黄&オレンジです。主な理由はテロ事件が発生する可能性が反映されているのだと思いますが、実際のところテロのほとんどはシナイ半島の上半分である「北シナイ県」で起こっています。(ガザ地区及びイスラエルと国境を接している)

北シナイと言っても広いのですが例えばカイロとガザ国境に近い北シナイ最大都市アリーシュは大体300km離れています。
通常観光客が訪れる地域ではありません。

2019年頃までは観光地周辺で観光客に被害も出ていたのですが、近年ではシナイ半島でのテロを除くと民間人を脅かした主なテロは以下の通り減少しています。

  • 2020年:4月にカイロ県内で治安機関とテロリストの銃撃戦。(民間人に被害なし)
  • 2021年:シナイ半島以外ではテロ事件は報道なし。
  • 2022年:12月にイスマイリア県市街地での警察検問所襲撃事件。(民間人1人死亡)

(参考:在エジプト日本国大使館)

このようにテロが減少傾向にある理由の1つとして2018年からシナイ半島(過激派の活動拠点)で大規模なテロ組織掃討作戦を開始しています。

筆者は2015年からシナイ半島の南に位置する「ダハブ」という町に住んでいますが、外務省の危険情報でいうとカイロ、ルクソール、アスワンなどの所要観光地と同じレベル1(十分注意)で、昼夜を問わず女性1人で外出できます。

もちろん場所にもよりますが、エジプトは基本的に夜型で深夜でも人が多く、気をつけていれば夜間の外出でも危険はかなり少ない国だと思います。

その他ダハブから車で約1時間の高級リゾート地「シャルム エル シェイク」は国際的な会議の開催地となる事が多いため、特段セキュリティが強固です。
高さ5m、長さ36kmのシャルム・エル・シェイクを囲う壁があり、人や車の出入りはカメラやスキャナが施されたゲート(検問所)以外に無い事になります。

カイロ方面から南シナイへのバス移動、または宿泊(タバ、ヌエバなどの紅海沿岸)は基本的に問題ない様に思います。

またエジプトの犯罪の特徴は、

  • 殺人などの危害を加える事件は少ない
  • 観光客を狙ったスリや置き引き、詐欺が多い
  • 違法薬物が蔓延しているので密輸や所持による検挙件数が多い

など。

観光客を狙った軽犯罪に気をつける事はもちろんですが、観光客が主に相手にしなければならないのは、客引きをはじめとする必要以上の金を巻き上げようとしてくる輩です。
例えばエジプトに観光に来たら絶対に行くであろうギザの三大ピラミッドエリアは客引きの巣窟となっていますので旅慣れていない人はかなり心をすり減らすかと思います

加えて考慮しなければならないのが、エジプトの経済状況です。
通貨暴落、インフレ、高い失業率が続いており、さらに元から貧困率は高く政府発表では30%を推移していますが、実際はこの数字よりも高いと言われています。

対ドル/ユーロの闇レートは正規レートの倍になった時もありました。

毎月のように物価上昇しており、今まで貧困層ではなかった人達がそれに近い状態になっていることで犯罪行為が多くなる可能性に注意が必要です。

軍や警察の対応能力

何かあった時に親身に対応してくれるかと言ったら、ん〜〜多分ほとんどNOです!
基本やる気なし、場合によっては立場を利用した意味のない嫌がらせを行為を受けるかも。

出来るのにできないと言うなど謎の自分ルールを発動する事はエジプトではよくある

一方、セキュリティの面では割としっかりやっている様に思います。
例えば私の住むダハブの警察で言うと、

  • 街中に巡回私服警官があちこちにいる (拳銃と無線が腰にある)
  • 稀にVISAの抜き打ちチェックがある
  • 外国人でも重罪でなくとも問題を起こした人は再エントリー禁止で追放される

また都市間の移動には必ず検問所があり、場合によって車体は機械でスキャン、手荷物検査、外国人はパスポート、エジプト人はIDカードを提示する必要があります。
検問所職員はちゃんとチェックしてる?と思ってしまう勤務態度ですが、エジプトのIDカードにある個人番号で全ての情報が紐づけられているため(犯罪歴など)怪しい人間はすぐに分かります。

もちろん観光地の入場の際にも荷物検査のセキュリティチェックがあるのがほとんどです。

国民性と街の様子

エジプト人は一般的におしゃべりで、好奇心旺盛、フレンドリーです。またイスラムの助け合いの精神と、社会保障をはじめとする制度が十分に整備されていない事から助け合う文化が基盤にあるため、困っていたら声をかけてくれる親切な人も多い。

子供好きで、子供に優しいがたくさんいます

その一方で、日本人からすれば唖然としてしまうことも多い。
よく言われるのが、

  • その場しのぎの嘘をつく
  • 約束や時間を守らない
  • 全てに計画性がない

恐らく近い将来ですら計画する事ができる環境ではない人が多いため、「出来もしないのに適当なことを言う(嘘)」「先のことは考えても仕方ない」「細かいことは気にしない」思考なのが理由だと思います。

エジプト人がエジプト人を信用していない部分もあるので、異国にいると言うことを忘れずに。

またエジプトでは人気観光地であっても以下の様な状況が散見されます。

  • ゴミをポイ捨て(車の窓から/家の窓から)
  • 道でツバを吐く
  • 大量のハエが飛んでいる
  • トイレが不潔 (基本的にトイレットペーパーはない)
  • 並ぶ文化がない(声の大きい者勝ち)
  • 車のクラクションの大合唱
  • 働く子供、学校に行っておらずたむろしている子供
  • 物乞い

この様な様子を見ると、治安が悪い国だ…!!と感じてしまう事でしょう。
ただし貧富の差が激しい国なので、これらに該当しない地域もあります。
日本ではあまりイメージはないかも知れませんが、エジプトはビーチリゾートと言う一面もあるので、

  • シャルム エル シェイク
  • フルガダ
  • エルゴウナ
  • ノースコースト

などは外国人観光客(主にヨーロッパ・ロシア)とエジプト人富裕層に人気のリゾート地です。
ダイビングを始めとするマリンスポーツも盛んでリピーターもいます。

また教育格差も激しい国なので、国際的で常識的な価値観を持つエジプト人(主に高い水準の教育を受けた人)もちゃんといます。

エジプトは貧富をはじめ全ての振り幅が大きい国です。

エジプトの治安:イスラエル・パレスチナ情勢

2024年現在で言うと、イスラエル・パレスチナ情勢に伴いエジプトも色々な面で多大な影響があります。エジプトのシナイ半島はイスラエル、そしてガザ地区と国境を接しており、今まで以下の被害があります。

  • 2023年10月27日:イスラエル国境付近のターバにある医療施設近くにドローン1機が墜落(負傷者あり)
  • 上記同日:ヌエバの発電所付近にもドローン1機が墜落。(負傷者なし)
  • 2023年12月16日:ダハブ沖でドローンと思われる飛行物体がエジプト防空機によって迎撃。(負傷者なし)

※全てシナイ半島

12月のやつ、遠くの方で爆発音がしたので間違いなくコレでした

これらは紅海の南から北に飛行してきた為、イスラエルを標的としたイエメンの武装組織フーシ派による攻撃と言われています。エジプトを意図的に狙ったのかは定かではありません。

現在の情勢を受けて、観光業は減速(まずイスラエル人観光客がごっそりいなくなっている)
またイエメンの武装組織フーシ派による貨物船への攻撃から航路変更を余儀なくされ、スエズ運河での通行料収入が激減している様です。

それでも国内・海外問わず観光客は来ていますし、生活は普段と何ら変わりません。ただ経済状況が悪くなって行くばかりで、犯罪につながる治安悪化も懸念されます。

国民感情は別にして、エジプトは1979年にイスラエルと国交を樹立。アラブ国家としては初めてエジプトがイスラエルの国家承認をしています。

エジプトの治安:観光客によくあるトラブルと対策

エジプト観光と治安:しつこい客引き

筆者はエジプトに住む以前はバックパッカーとして1年かけて世界一周をして世界三大ウザイ国と言われるインド2回、モロッコ、エジプトを制覇しましたが、エジプトは相当しつこい。

  1. 無視する
    一番楽なのが無視することです。
    これだけで相手は引かないのですが、NOと言っても結局下記に示す通り相手は引かないので、ハナから会話をしない方が無駄な体力を使わなくて良いと考えます。
  2. キッパリ断る
    一般市民であっても、エジプト人は基本的に押しが強いので1回断っただけでは引き下がりません。絶対に「Why?」と理由を聞いてきますが別に言わなくてもいい。(やりとりが面倒臭い…)

声をかけてきた人と価格交渉するなら、かなり詳細に(合計何時間、どういう内容、支払い通貨 etc)何度も確認したほうがいいです。録音するのも手かも。後で揚げ足取った別料金を言われるので(EGPじゃなくてUSDだ!とか)

恐らくカイロからダハブにきた人が「EGPだよね?ドルじゃないよね?」と再々確認してて、「EGPだよ?」と店員がキョトンとしていた事があった。(ダハブは平和)

エジプト観光と治安:バクシーシ・チップ

バクシーシはイスラムの教えで富を持つものが貧しい人に施しをする行為を意味し、簡単に言えば寄付や援助です。
バクシーシは貧しい人にとって“当たり前”の権利で堂々と強気で要求してきます。

渡す意思がない場合はNo!またはラ!(アラビア語でNo)と言いましょう

チップは何かお願いした時に感謝の意味で支払うので、何もしていない・お願いしていない相手に払う必要はありません。
観光地では無理やり親切にしようと声をかけてくる人には要注意(写真撮るよ!→チップ要求、など)

エジプトではチップもバクシーシも強制ではありません。

エジプトでチップを支払う主な場面は、

  • 空港で大きな荷物を運んでもらった時
  • ガイドへの謝意(ツアーの場合は含まれている場合もある)
  • タクシーの端数を切り捨てチップとする

などの場合があります。

エジプト観光と治安:詐欺・ぼったくり

観光地では、観光客を騙す詐欺行為・ぼったくりが見られることがあります。例えば高額な価格での商品販売やサービス提供、偽のガイドによる案内など。

観光地で親しげに声をかけてくる人は全員何か狙いがあるので、無視するのが◎。
お土産を購入する場合は納得できる価格で購入・交渉しましょう。(言い値の半分を目安に)

市場でもエジプトでは価格表示されていないことが大半なので、事前の相場を調べたり、信頼できるホテルのスタッフに聞くなどするのが良いです。
また、大型スーパーのカルフールAmazon.egでエジプトの実際の物価を参考にできます。(食品、ファッション、日用品、電化製品 など)
talabatというフードデリバリーアプリで住所(例えば宿泊先ホテル)を適当に指定すれば配達可能エリアの飲食店のメニューと価格が見れますので、今の物価の大体の相場が分かります。

エジプトでもAmazonは利用でき、全然ちゃんとしています!

お釣りがないことは個人商店などでは“日常的によくあること”です。
細かいお釣りがもらえない事がありますが、この部分をぼったくり?と気にしていると楽しくないので、
・相手が間違えているようなら言う(割と計算間違いします)
・キリのいい金額になるようにガムなりクッキーなりをついでに買う
逆に「次来た時でいいよ(超意訳:払わなくてもいい)」や、お釣りの代わりにガムとかのお菓子をくれることがあります。

エジプト観光と治安:スリ、盗難、置き引き

観光地や交通機関でのスリ、盗難、置き引きが比較的よく報告されています。また路上で後ろからバイク、車でバッグやスマホをひったくる輩もいます。

貴重品は基本的に持ち歩きましょう。ホテルを信用しすぎない方が良いです。
スマホの操作が必要な場合、使用は最小限の時間で車道から極力離れて行うなど注意が必要です。

私は過去にiPadとMacbookなどを盗まれているよ!(しかも顔見知りによる犯行)

エジプト観光と治安:痴漢・セクハラ・ナンパ

中東あるあるかも知れませんが、女性1人だと痴漢・セクハラ・ナンパをされる可能性は大いにあります。(年齢、体型、顔はあんま関係ないと思っている。)
純粋に親切な人もいるんですが、中には下心があって親切にしてきている人もいます。

特に女性は人気のない場所で男性と2人きりにならないよう努める。(長距離をタクシーで移動する場合周りに何もないので注意が必要)
周りに人がいるなら声を出して助けを求める事ができます。エジプト人は助けてくれます。

なお、髪・体を隠しているエジプト人女性にも被害は起こり得ます。(エジプトでも社会問題になっています)

エジプト観光と治安:交通事故

特にカイロの交通は混雑しており、運転が荒い。信号機はほとんど無く、車を避け道路を横断するスタイルです。
車に乗りながら2台が会話or喧嘩(その後ろ軽く渋滞)、スマホ持って通話しながらの運転は当たり前に行われるので、交通事故に巻き込まれないように十分な警戒が必要です。

交通量が多くて渡れない場合は地元民に合わせてついて行くのが◎

エジプト観光と治安:体調不良

エジプトでは水道水が飲用に適していない場合が多いため、水や食事に注意を払わないと下痢などの健康問題に悩まされることがあります。
また、日射病や熱中症にも注意が必要です。

お腹が弱い人は生モノは避ける。
十分な水分補給や日焼け止めを使用しましょう。

異変を感じたら近くの病院へ!私はエジプト9年目で初めて腸チフスにかかりました(多分路上販売の食べ物が原因)

エジプト観光と治安:違法薬物

エジプトで大麻(ハシシ)の所持や使用は違法です。それ以上に危険な薬物も出回っていますので使用はやめましょう。

また愛煙家が多いので、タバコ絶対嫌な人にはキツい国かも知れません(ほとんどの男性がタバコ吸ってる)

エジプト旅行はツアーがオススメ!

普通に旅行・生活していれば身の危険を感じることはまずありません。

エジプト旅行でのネックは主に「しつこい客引き、バクシーシ、過剰なチップ要求、詐欺、ぼったくり」なので、交渉や断る事が苦手な人はツアーに参加したほうがベターです。
またエジプトは特に今物価が安いです。
五つ星ホテルに泊まる、ガイドを雇うなど、少し優雅な旅をするだけでこういったストレスを回避できます。

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